創作活動とはそもそも自分を相手にした戦いと思っています。いかに奥深い自分の根源まで近つけるか、そのときどこまで外に現れる作品の形象が内なる声を裏 切らずに調和できるか。それが結果的には求めなくとも自然に現れる独創の姿だと考えています。そしてそれが不思議にも人々の心の奥深く密かに張られた弦に 触れるもっとも確実でまた深い方法だとも信じています。
その事に気付き始めてもう何年かが過ぎ、同時に日本とその文化が当然の様に自分の行くべき道の道しるべとなりました。 
 
自身の制作態度の根底には常に幼少の頃の強い想い出や印象が基としてあります。それを背景に人の世の不可思議を大人となった視線から問う問いかけが主題となっています。
外の世界と内なる土壌がどのように融合するのか。
今個展のタイトル「うちげしき」は自分のそんな制作への姿勢を一言にまとめてみたものです。
(白石三雄)